みんなで(24) 感想 9/4日掲載

我らがパラダイス233
みんなで(24)　9/4日掲載の感想です。
なんだ薬だったのか・
しかし、どうして邦子が薬を欲しがるのか?

最上階のこの部屋はきたのは初めてである。

下の住人達が恐れている自立できない老人たちの
フロアーである。

この広くて快適なフロアーで、老人たちが介護士に
付き添われて昼寝までのひとときをてんでに過ごして
いる。

邦子が入ってきても制服をきているので、誰も怪訝
な顔はしない。

一人の若い女性介護士が声をかけてきた。
とっさにただ一人知っている人の名をあげた。

「田代さんと待ち合わせをしているので」
と平然とうそをついた。

それで何もあやしまれず、やがて老人たちは介護士
に付き添われて個室に帰っていった。

フロアーには人はいなくなった。

邦子は生の花と詩集がおかれた本棚の後ろのドア
を回すと簡単に開いた。

この部屋は3畳ほどで明かりをつけると、紙オムツ
やテッシュペーパーや薬もある。

薬が入っている箱をとって書かれている横文字
を読んでみるが意味がわからない。

後ろで物音がした。
振り返ると田代朝子が立っていた。

邦子は心臓がバクバクするくらいびっくりしたで
あろう。

さっきとっさにうそを言った時に使った名前の田代
本人が目の前にいるのだから。

さっきの若い女性介護士がたまたま田代に会って
上の階で細川さんがお待ちですよとでも言ったの
だろうか?

それにしても何の目的で薬を探しているのだろうか?

まさか、滋に毒薬でも少しずつ食事に入れる
つもりだろうか?
おおーーーこわっ。

認知症改善の薬なら、町の医院で出してもらえる
はずだ。

でも父親思いの邦子がそんなことを考えるはずは
ないと思うが・・・・

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